ランニングのペース設定について。VO2max、乳酸閾値、レースペースの理解と活用

ランニングをもっと楽しく、効率よくトレーニングするには、ペース設定が重要です。ただ「速く走る」だけじゃなく、自分に合ったペースを知ることで、走る楽しさも結果もぐっと変わります。

そのカギになるのが、「VO2max」「乳酸閾値」「レースペース」の3つ。これらをうまく取り入れると、体力もスピードも上手にアップさせることができます。今回はそれぞれのポイントをわかりやすく解説していきます!

VO2max(最大酸素摂取量)とは?

VO2maxは、身体が最大限に取り込める酸素の量のことです。これが高いほど、酸素を効率的にエネルギーに変えられるので、走る力もぐんぐん伸びます。「どのくらい頑張れるか」を測る目安のひとつで、ランナーにとっては基本中の基本の指標です。

VO2maxを上げるトレーニングは、体力の土台作りに役立ちます。「息が切れるくらい頑張った!」と思える強度で練習するのがポイントです。

トレーニング方法

  • インターバルトレーニング:400m~1,000mを全力に近いペースで走り、その後にゆっくりジョギングして回復。このセットを何回か繰り返します。たとえば「400mを90%以上の強度で走り、200mをジョギングで繋ぐ」というのを8~10セット繰り返すなど。
  • 坂道トレーニング:坂を全力で駆け上がる練習。短時間で心肺機能を鍛えるのに効果的です。

乳酸閾値(LT:Lactate Threshold)とは?

乳酸閾値は、運動中に疲労物質(乳酸)がたまり始めるポイントのことです。この閾値を超えると体が処理しきれなくなって疲れがドッと押し寄せます。でも、この閾値を鍛えると「速いペースで疲れにくくなる」という、とっても嬉しい効果が得られます。

このトレーニングは、「ちょっとキツいけど、もう少し頑張れるかも…」くらいの強度で走るのがコツ。これを繰り返すことで、より高いスピードをキープできるようになります。

トレーニング方法

  • テンポランニング:ギリギリ楽に感じる速さで20~40分走る練習。たとえば「会話ができる程度の息切れ具合で、30分間走り続ける」など。
  • 閾値走:10kmペースより少し遅め(約15~30秒遅いペース)のスピードで10~15分走り、短い休憩を挟んで繰り返す。

レースペースとは?

レースペースは、その名の通り、目標とするレースタイムに基づくペースのことです。例えば、ハーフマラソンで1時間45分を目指すなら、1kmあたり約5分/kmのペースが必要になります。このペースで走る感覚をトレーニングで体に覚えさせておくと、本番でも自信を持って走れます。

レースペースの練習は、目標に向けた「実戦練習」のようなもの。本番を想定しながら練習するので、達成感もあって楽しいです。

トレーニング方法

  • ペース走:目標ペースで5km、10km、20kmを走る。距離は段階的に増やしていきましょう。
  • ロングラン+レースペース:長い距離(20km以上)のランニングの後半でレースペースを取り入れ、疲れた状態での感覚を磨く。


VO2max、乳酸閾値、レースペースは、それぞれに違う目的があるけれど、全部がつながっています。VO2maxを鍛えると、乳酸閾値のペースも上がり、乳酸閾値が向上するとレースペースが楽に感じられる…というように、相乗効果が期待できます。

練習例(週のスケジュールに組み込む場合)

  • VO2maxトレーニング(週1回):インターバルや坂道走。
  • 乳酸閾値トレーニング(週1回):テンポランニングや閾値走。
  • ロングラン(週末):レースに向けた持久力強化。

ペース設定をうまく活用するために

心拍計やGPSウォッチを使う
心拍計やGPSウォッチを使うことで、ペース感覚を数値で確認できます。目標ペースをキープするために、これらのツールを活用すると便利です。

自分の体調に合わせる
体調が優れない日は無理をせず、ペースを落とすことが大切です。過度に疲れを感じた時は、少しペースを調整して体調を優先しましょう。

レース前に実戦練習を積む
実際のレースを想定した練習を繰り返すことで、目標ペースで走る感覚をつかむことができます。何度も練習しておくと、本番での安心感が生まれます。


VO2max、乳酸閾値、レースペースを理解してトレーニングに取り入れると、効率的にランニングの力を伸ばせます。それぞれのトレーニングを組み合わせながら、楽しく挑戦してみましょう!次のレースで、きっと自己ベストに近づけるはずです。

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