剱岳登山日記 〜2024.9.16-17〜 早月尾根ルート

皆さんは山ガールブームを覚えているでしょうか?
おしゃれなアウトドアファッションに身を包んだ女性たち。私もそんな山ガールに憧れ、登山を始めるようになりました。
ちなみに山ガールブームは2009年頃のようです。
いつの間にか15年も経ってる。つい5、6年前のような気がするのに、、

そんな山ガールだった私にとって、剱岳は夢のまた夢。
「日本で一番危険な山」と勝手に思っていたので、正直一生行くことはないと思っていましたが、今回、そんな剱岳にランニング仲間と一緒に登ってきましたー!

今回のルートは「早月尾根ルート」です。
剱岳には「早月尾根ルート」と「別山尾根ルート」があります。
別山尾根ルートの方が初心者におすすめと聞きましたが、私たちは早月尾根ルート一択です。

というのも、私の周りには早月尾根ルートから登る人が圧倒的に多い。
理由はアクセスが楽だから。
早月尾根の登山口である「馬場島」には、富山市内から車で1時間ほどで行けます。大きな駐車スペースもあります。
ただし公共交通機関はないので、車がない方はタクシーで行く必要があります。

一方、別山尾根ルートの場合、ケーブルカーやバスなどの公共交通機関を利用しまずは室堂に行かねばなりません。
これが結構大変。運行時間もあるし。
なのでランニング仲間はみんな早月尾根ルートからいきます。
基本みんな日帰り登山をするので、サクッと行ってサクッと帰るができるのが早月尾根ルート(ただし体力自慢の上級者に限る)。

今回は1泊2日の予定。早月小屋に泊まります。
ちなみに早月小屋付近にテントも貼れるので、テント泊をすることも可能です。

1日目は一緒に登る友人と10時に馬場島に集合。
今日は馬場島の登山口から早月小屋まで登山予定。
「試練と憧れ」の岩に登山の安全を祈願し、写真を撮って登り始めます。

剱岳 試練と憧れ
モンベル30Lバック

ちなみに登山リュックは30Lのリュックにしました。2日目の登頂アタック時には、トレランリュックに変更予定です。

早月尾根は初っ端から急登が続きます。
朝一、アップもできていない状態からの急登はかなり辛い。いきなり心拍数が上がります。
大体30分ちょっとで最初の急登が終わります。

ここからはほんの少しだけハイキング感覚でなだらかな道を歩く。

でもほんとにほんの少しなのよ。いつの間にかまた急登が始まる。
高度が低い間は樹林帯が続くので、景色もそんなに楽しめないです。
大きな木の根が張り出し、私たちの行く手を阻みます。
試練と憧れの試練ですね。
延々と登り続ける。

標高1200mm、1600mなど、定期的に標高を表す看板?が出てくるので、看板ごとに給水や補食タイム。

途中、下山してきた方とたくさんすれ違いました。
皆さんと挨拶やちょっとした会話を交わしながら、お互いに「お気をつけて」と言って別れる。
登山者のこの爽やかな関係性が好きなんですよね〜。

辛い登りだけど、一歩ずつ高度を上げ、ようやく早月小屋に到着ー。
時間は14時30分前。
ガーミンの記録では4時間18分かかったようです。
馬場島の高度が774m、早月小屋の高度が2,213mなので、1,446m登ってきました(ガーミン記録)。

早月小屋。真っ白。
早月小屋の室内。

早月小屋について、早速チェックイン。
本日は宿泊者が少なかったようで、私と友人の2人で1部屋使わせてもらいました!嬉しいー。
カーテンで仕切られるようになっているので、プライバシーも守られます。
私は山小屋といえば富士山のあの超密度が濃い山小屋しか泊まったことがなかったので、富士山に比べたら夢のように快適な山小屋。
使い捨ての布団シーツと枕シーツもついているので、清潔な環境で就寝できます。
あとトイレも小屋の中にあります(水は流せませんが)。
小屋の外にもトイレはありますが、それはテント泊や日帰り登山者用です(もちろん宿泊者も使っていいけど)。

汗だくの服から部屋着に着替える。これだけで快適。
早月小屋は水が出ないので、汗拭きシートなどは必須です。
荷物を整理したら、夕飯までの間は小屋前でコーラを飲みながら持ってきたクッキーを食べる。
コーラは小屋で買いました。1本600円だったかな?
ちなみに宿泊者用に外に行くためのサンダルも小屋が用意してくれています。
私はそれを知らなくて、わざわざサンダルを持ってきてしまった。これがなければ荷物少し減ったのに、、、

早月小屋でコーラ。
持ってきたクッキー

そうこうしてるうちに、17時になったので夕食。
カレーかな?と勝手に思ってたら違ってた。しっかりしたお夕食でした。美味しい!
お腹いっぱいです。

早月小屋の夕食

早月小屋は20時に就寝となります。なので、夕食後は各自ゆったりと過ごすのですが、ちょうど夕陽が沈む時間帯なので、友人と外に出ることに。
すると綺麗な雲海がと夕陽が見えましたー。
この景色はなかなか平地では見れないよね。この景色を見るために一泊する価値はあると思う。

早月小屋からみる雲海・夕陽
早月小屋からみる雲海・夕陽
剱岳ブロッケン現象

しかも、ブロッケン現象まで見えました。ちなみにブロッケン現象とは「自分の影の周りに虹色の輪が現れる現象」です。
「あれ、自分の影の周りになんか虹がかかってる、気のせい?」って思ってみてたら、友人も「なんか私に後光がさしてる」というので、その場にいた人全員がブロッケン現象をみたようです。
でも不思議なことに、自分の影に対しての虹しか見れないんですよね。
私からみたら、友人の影にはブロッケン現象ができていない。
不思議な体験ができて、ラッキーでした。いいことありそう。

20時になったので、部屋の明かりが消え強制的に就寝。
おやすみなさい。

そして2日目。山の朝は早いのである。
山小屋は4時に部屋の明かりがつきました。
4時はまだ真っ暗。でも4時過ぎから出発する宿泊者の声が遠くから聞こえてきます。
私たちは6時15分にベテラン登山者の先輩と早月小屋で待ち合わせしていました。
先輩に頂上までアテンドしてもらう予定です。

早月小屋 朝食のお弁当

朝ごはんを食べて、ゆっくりと準備。
朝ごはんは昨日のうちに小屋のスタッフさんからもらったお弁当を食べます。
6時になると私たち以外誰もいません。みんなすでに出発しています。

そして予定時間とほぼ同じくらいに先輩が小屋に到着ー。
もうすでにお疲れのような先輩。笑
そうだよね、あの急登を登ってきたんだもの。

少し休んで、早速スタート。
雨は降ってないけど、周りは真っ白。景色は期待できない感じです。

いやー、早月小屋からも急登が続く。
そして嫌なことに、雨が降ってきた。

ここまで来て雨で撤退とかほんと勘弁してほしいーと雨が止むのを祈っていたら、山の神様に願いが通じたのか、雨が止んできた。
雨がひどくならないうちにどんどん登る。

樹林帯をこえ、岩場が多くなってきた。
鎖やロープなども頻繁に現れるようになる。だんだん山の様子も変わってきたね。
途中で山小屋で一緒だった登山者さんと何人かすれ違いました。
皆さん、朝早く出発されたので、もう山頂まで行って降りてきてます。
山小屋6時スタートは遅いみたいですね。

そして9合目も超え、山頂まであと少し。

9合目から上は本格的な岩場です。
鎖をしっかり握り、先輩に足の置き場などを教えてもらいながら慎重に登ります。
天気が悪く真っ白だったので、崖なんだろうけど崖の下が見えないので高度感はなかったかなと思う。
これが晴天で下までくっきり見えたのであれば、高所恐怖症の人は怖いだろうなーと思いました。

登ってみるまでは「万が一滑落したらどうしよう、、」と不安でしたが、実際に登ってみたらしっかり鎖を握って落ち着いて渡れば怖くない。
私は岩場の方が好きなので、9合目からの登りはこの登山で一番楽しめました。

そして、、そして、、ようやく頂上に到着ー!

いえーい!見渡す限り真っ白!笑

でもいいの。無事登頂したという事実だけで満足です。
景色は心の目で補完しておきます。

写真などでよくみていた祠の前で写真撮影。
「これがあの祠か」とちょっと感慨深くなりました。
祠の前はさまざまな「剱岳」の手持ち用の看板がありました。
これが以外と思い。でも考えたら、軽い看板だと風で飛ばされちゃうので、あえて重量を持たせているんだなとわかります。

写真撮影の後は山頂でちょっとだけ休憩。
でも天気があまり良くなかったので、下山のことも考えそそくさと山頂を後にしました。

登ったからには降りなきゃいけない。

剱岳早月尾根
剱岳早月尾根

正直、下山の方が怖いのよね。滑る確率が上がるから。
登りよりも慎重におります。
途中、雷鳥の鳴き声を聞いたけど、実物は拝めなかったぜ。

ちょうどお昼頃に早月小屋に戻ってきたので、早月小屋でお昼ご飯。
小屋でシーフードヌードルを買います。
早月小屋で食べるNISSINのシーフードヌードルはどうしてこんなに美味しいんだろう。
朝食のお弁当も少し残していたので、お弁当とカップラーメンでエネルギーチャージです。

ここで今までのトレランリュックから30Lのリュックにチェンジ。
あー、そうそう。この重さ。
この荷物を背負って1400m降りなきゃいけないのかーと思うとため息が出ますね。

下りは足の疲れも出てきてるので、滑らないように慎重に降りる。
よくこんな急登を昨日の私は登ってきたよなーと思いながら降りる。
昨日の私、よく頑張った!

そして長い長い下りを慎重におり、、
ようやく馬場島に到着ー!!
時間は15時30分。

疲れたー。
私、本当によく頑張った!

試練と憧れの石碑に無事に帰ってきたことを報告。
なんだか感無量ですね。

ガーミンの記録だと、この日の総上昇量は884m、総下降量は2,325m。
合計タイムは9時間10分。

山ガールブームに乗り登山を始めてからはや15年ほど。
当時は剱岳なんて夢のまた夢だったのに、登れる日が来るなんてなんて幸せなのだろう。

ただ次は日帰りで登るという目標ができたので、もう少し体力作り頑張ります。

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